担当者が退職するたびに業務が止まる会社に欠けた設計とは

担当者が退職するたびに業務が止まる会社に欠けた設計とは

引き継ぎ書は作った。前任者にも協力してもらった。それでも退職から数週間後、後任者が前任者に電話している——そんな状況になっていませんか。

マニュアルがあっても解決しないのはなぜか。これはマニュアルの問題ではなく、業務設計の問題です。

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担当者の退職で業務が止まる根本原因は「設計の欠如」

書類の山に囲まれ一人で座り、途方に暮れるオフィスワーカーのイラスト

「マニュアルを作っても属人化が消えない」という相談は、中小企業の経営者からよく聞きます。情報が足りないわけではない。それなのに担当者が変わるたびに何かが止まる。

その正体は、「誰がやっても同じ結果になる流れになっていない」ことです。情報の置き場所ではなく、業務そのものの設計が問われています。

失敗パターン①:退職が決まってから慌てて引き継ぎ書を作る

担当者が辞めると決まった段階で「引き継ぎ書をお願い」と依頼するケースが典型です。書いてもらった資料は手順の羅列になりがちで、「なぜその判断をするか」が抜け落ちます。

後任者は読んでも判断できないため、退職した前任者への問い合わせが続く。この “地獄ループ” は、用意した引き継ぎ書がどれだけ丁寧でも起きます。

失敗パターン②:ツールに入れて安心する

社内wikiやドキュメントツールに情報を集約して「これで大丈夫」と思っても、数週間後には誰も更新していないという傾向があります。入れ物を用意することと、「誰でも判断できる流れを作ること」は別の話です。

必要なのは「情報の量」ではなく、誰がやっても同じ結果になる業務の流れになっているか、という問いに答えることです。

業務が特定の人しかわからなくなる3つの構造

業務が特定の人しかわからない状態を解決するには、なぜそうなるかを理解しておく必要があります。

SMB調査(2025年1月)では、製造業の管理職の78.7%が「属人化している業務がある」と回答しています。一方、IPA(情報処理推進機構)の調査(2024年)では、情シス専門部署がある中小企業はわずか9.3%にとどまります。

仕組みを整える専門人材がいない状態で業務が積み上がっていくのが、多くの中小企業の現実です。

構造的な原因は大きく3つあります。

① 言語化できないノウハウが存在する

「この取引先はいつもギリギリに連絡してくるから、2日前に確認を入れておく」といった判断基準や例外対応は、長年の経験から染み付いたものです。本人が意識していないため、頼んでも書いてもらえない。書いてもらっても「なんとなく」という表現になりがちです。

② “あの人しかわからない” が本人のポジション保全になっている

これはやっかいな構造です。現場でよく見られるパターンとして、自分が担当している業務の複雑さが「自分の存在価値」と結びついているとき、情報の共有が進みにくくなることがあります。「引き継ぎを頼んでも資料が出てこない」「メモが曖昧なまま終わる」といった状況は、その表れです。

③ 組織設計として「標準化する仕組み」がない

マニュアルがある・ないに関係なく、「誰でも判断できる状態にする」ための場や手順が組織に存在しないケースです。忙しいから後回しになり、その状態のまま人が入れ替わる。

属人化解消の進め方として中小企業が最初に手をつけること

帝国データバンクの調査(2024年)では、「従業員退職型」倒産が87件と過去最多を記録しました。なお、2025年版中小企業白書によると、人手不足関連の倒産は289件(前年比1.8倍超)に上ります。

属人化は、経営リスクとして直結しています。

では、属人化解消の進め方として中小企業がまず取り組むべきことは何か。3つのステップで考えるとわかりやすいです。

ステップ①:止まったらまずい業務を洗い出す

全部を一気に解決しようとすると、何も進まなくなります。「この人が急に休んだら、その日の業務で何が困るか」という観点で、リストを作るところから始めます。5〜10個あれば十分です。

ステップ②:判断基準と例外対応を言語化する

手順だけでなく、「なぜその判断をするか」を引き出すことが重要です。本人にインタビュー形式で聞くと出てきやすいです。「このケースのときはどうしますか?」という具体的な状況を投げかけると、頭の中にある基準を引き出しやすくなります。

ステップ③:定型タスクをテンプレート化・自動化する

毎月繰り返す集計、定型メールの文面、確認フローの通知——これらはAIやツールを活用して仕組み化できます。担当者の頭の中にある判断が必要な業務と、そうでない定型業務を分けて考えることが、「誰がやっても同じ結果になる設計」に近づく第一歩です。

「時間がないからできない」という声をよく聞きます。ただ、人材紹介サービスを使った採用では手数料だけで年収の30〜35%が相場です(リクルートエージェント等)。業務停滞や採用活動の工数を加えれば、事前の標準化にかける時間とは比較になりません。

まず1時間で「止まったら困る業務」を書き出してみてください

属人化を解消する3ステップ:①止まったらまずい業務を洗い出す ②判断基準と例外対応を言語化する ③定型タスクをテンプレート化・自動化する

全部を一気に解決しなくていいです。まず1時間だけ時間を取って、「この人が明日休んだら何が困るか」を5〜10個書き出してみてください。

その一覧が、「誰がやっても同じ結果になる設計」への第一歩になります。

「どこから手をつければいいかわからない」という段階から一緒に整理することもできます。CreamCode が大切にしているのは、AIを活用しながら業務プロセスそのものを再設計し、社内で自走できる状態にすることです。まずは話を聞いてみたいという方は、お気軽にご相談ください

「外部に頼むと高い・現場を知らない」という懸念も理解できます。確認すべきは「社内に仕組みが残る支援か否か」です。成果物だけ渡して終わる支援では、次の担当者が変わったときにまた同じことが起きます。

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